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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1030 《ミュージカル映画上映会》を終えて
 瀬川昌久先生の新刊出版を記念して渋谷シネマ・ヴェーラで開催された「ミュージカル映画特集/ジャズで踊って」の上映会に皆様はいらっしゃいましたか?
 私は今回の上映を生徒からのチラシで知りました。その方は昔プロとして舞台に立っていたそうで、彼女の熱心な薦めでクラスメートの方々も劇場に足を運ばれたようです。
 また、タップ仲間の加藤忠君からも早々と情報を頂きました。
 何とか上映前にコラム掲載には間に合ったものの、自分的にその題材のセレクトには反省する事が多かったと思ってます。
 生徒から一番多かったのが「どれがオススメですか?」という質問でした。本当に多かったのです。
 聞いてこられた方には「これはタップダンスの場面が沢山ありますよ♪」という理由で何本かを推薦しましたが、そういう初歩向きなコラムを書くべきだったのだな?と感じました。
 また、生徒の多くはフレッド・アステアもジーン・ケリーも知らない。エレノア・パウエルもジンジャー・ロジャースも、ましてやルビー・キーラーなんてもうどうでも良いのですね。
 まずタップ・ダンスのフレッド・アステアやジーン・ケリーの紹介から始めるべきだったし、振付のバスビー・バークレーに関して長々と書くよりも、「スイング・ホテル」でアステアと主演したビング・クロスビーが当時どれだけ人気があったか?とか「踊るニュウヨーク」でアステアの敵役を演じたタップダンサーのジョージ・マーフィが後々政治家になったのですよ、みたいなトリビア的な内容のが面白かったのかも知れませんね。
 「フットライト・パレード」を観たある生徒は「ディカプリオに似た演出家役の男のひと(それってジェームズ・キャグニーです)が急にタップやりだしたのに驚いた!」とか。
 初めてアステアの映画を観たある生徒は踊りよりも、アステアがポケットからくしゃくしゃのドル札を出してカウンターの上に置いた事に驚いたとか?
 ちなみにその方は「イースター・パレード」では浮浪者のダンスがとても楽しかったそうです。
 私は40年ぶりに大きな画面で「ゴールド・ディガーズ」「42番街」や「フットライト・パレード」等のバスビー・バークレーのレヴュー・ミュージカルを観て、ダンサー仲間以上に映像や音楽の世界の方々、学校の先生やシンクロナイズドスイミングの振付師に絶対見せたかった!と思いました。
 いままでそんなに意識しなかった伴奏に関しても、わずか32小節の簡単なメロディを管弦楽団の演奏と歌手とコーラスの歌で6分から12分に渡ってレヴューを展開してしまう編曲が凄かった。
 昔の人は偉かった!
 そんなことを再認識させられる上映会でした。

天野 俊哉




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