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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.103 エンタテイメント界に薫る「アマポーラ」
淺野康子とY'sのグループが「ナショナルタップデー2009」で踊るのが、ヴァイオリンの調べをフューチャーした名曲「アマポーラ」です。昨年、スイング&ロックの曲をジャパネスクの衣裳で踊ったド派手ぶりとは、全く逆のセレクション。しかも、ほとんどのキャストを入れ替えての参加ということで、更にびっくりしました。
「アマポーラ」は、1924年に作られたラテン音楽ですが、エンタテイメントの世界ではさまざまなジャンルのアーティストによって歌われてきました。
【MOVIE】
映画で使われたのは、私の知る限り二度。戦前「オーケストラの少女」という作品で日本でも人気のあった、歌手のディアナ・ダービン主演「銀の靴」First Love(1939)。
もうひとつは現在でもDVDとCDで入手できる、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」Once Upon a Time in America(1983)。主人公があこがれるデボラという少女のテーマ曲として使われ、繰り返し登場します。エンリオ・モリコーネのすばらしい演奏で、まるでクラシック音楽のような重みがありました。もともとラテン音楽だったことを忘れてしまいそうなアレンジでした。
【RECORD】
レコードで大ヒットしたのは、意外にもジャズの分野でした。1940年代前半「タンジェリン」「グリーン・アイズ」「ベサメ・ムーチョ」などの曲を独自のアレンジでヒットさせた、ジミー・ドーシー・オーケストラのビッグバンド演奏がそれです。楽団の男性歌手ボブ・エバリーがバラード風に、アルトサックスのジミー・ドーシがスインギーに、そして女性歌手ヘレン・オコネルがラテン調という、3コーラスを3つのスタイルで、というアレンジでした。現在でもベスト盤のレコードやCDが入手できます。
同時期に活躍したグレン・ミラー・オーケストラの演奏も、女性歌手ポーラ・ケリーと、コーラス・グループのモダネアーズの美しいハーモニーで残されていますが、こちらはLIVE盤のみです。
【STAGE】
舞台では、宝塚のレヴューやショーで何度も登場しました。近年では、1999年花組公演・岡田敬二演出「ザ・レヴュー'99」。愛華みれさんと大鳥れいさんが大階段前で歌い踊りました(羽山紀代美振付)。
【J-POP】
さて、日本でこの曲を歌って話題になったのが、何とジュリーこと沢田研二さんでした。1984年大晦日の「NHK紅白歌合戦」に「アマポーラ」で出場したのです。ジュリーとしては珍しく静かに、それも直立不動で1コーラスを歌いきりました。間奏に入りオーケストラが盛り上がったところで、突然「パーン」と銃声が!! ジュリーのスーツの胸元からは、金や銀などのキラキラした紙吹雪と共に、血が吹き出すショッキングな演出で、
もう、観る者を完全に圧倒しました。 名曲「アマポーラ」を官能的に魅せた瞬間でした。
次のナンバーで登場した田原俊彦さんが、ステージ一面に残された血糊ですべって転ぶというオマケが付きました。
ジュリーの「アマポーラ」は、今年3月に発売された「沢田研二A面コレクション」(ユニバーサル・ミュージック\4,800)にしっかり収められています。おススメします。

以上、「アマポーラ」の、エンタテイメント界での簡単な歴史でした。
ちなみに淺野は素直にタップを踊るため、飛び道具の登場はありません。念のため・・・

天野 俊哉





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