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Vol.1029 「瀬川昌久自選著作集」を読みながら
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瀬川昌久先生が半世紀にわたり書かれてきたジャズ評論の記録集が河出書房新社より出版されました。
全てを読んでからこのコーナーで紹介を、と思っていましたが、あまりの面白さに同じ箇所を何度も何度も読み返す始末。2〜3ヶ月はかかりそうなので、現在進行中の同書をご紹介いたします。
今まで出版された瀬川先生の本は以外なほど少なくて、瀬川先生の評論やコラム、エッセイのスタイルを今回この本で初めて知りました。
500ページはあるうちの90ページあたりて止まっている一番の理由は、瀬川先生が20代で触れたニューヨークの夜の風景が目の前にひろがってきてしまうのです。パラマウント・シアターやバードランドが最も活気に溢れていたあの時代が。
私は日本のライブハウスで何度も先生にお目にかかってますが、いつもスーツにネクタイをキチンと着られたスタイル。私のようにガッツく食べたりせず常に静かに座られその場の雰囲気を楽しまれていました。
そんな私の知る先生と若き日の先生をオーバーラップさせて行くとページをめくる手も止まってしまうのですね。
また、当時のレコードが幾らであったか、クラブのチャージが幾らであったか、カクテルが一杯幾らであったとか現在ではなかなか知り得ない貴重な記載がされていて嬉しくなりました。
逆に白人社会における黒人への差別など人種問題には先生なりの考えを厳しく文章にされていたり。
また、偉大なるデューク・エリントン楽団やスタン・ケントン楽団といったビッグバンドのコンサートでの演奏が、選曲が、メンバーがいつもベストという訳ではなかった!という厳しい見方をされていたのは流石。
とにかく貴重な本です!
以前「先生っておいくつなんですか?」とお聞きしたところ照れて答えて下さらなかった事から男性でもお歳を聞くことは失礼に当たるんだな?と反省しましたが、今回先生のご紹介コーナーには何年生まれと記載されております。
さすがに驚きましたが、何人かに教えると決まって
「エーーーーーーーーー〜ッ!」
と、すざまじく反応するのですね。多分そんな反応されたあと会話が中断してしまい苦労されたのでしょう。
いつまでもお元気にご活躍ください。
天野 俊哉
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