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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.102 私のオススメ映画 9
「ハーヴェイ・ガールズ」
“The Harvey Girls”(1946・MGM映画・日本未公開)

アメリカで大ヒットしたMGMのウエスタン・ミュージカル大作です。ブロードウエイで「オクラホマ」の初日を観たプロデューサーのアーサー・フリードが、自分たちの「オクラホマ」を作ろうと企画しました。こういう姿勢はすばらしいのですが、2つのミステークがあります。
まずはヒット曲にめぐまれなかった事。“サンタフェ鉄道”はアカデミー主題歌賞をとりましたが、その他の歌曲がとにかく弱い。2つめは、監督に映画的センスにとぼしいジョージ・シドニーを選んでしまった事。前年、彼が作った「錨を上げて」の上映時間は143分と、短くまとめる事が出来なかった人です。この作品も、長すぎるという理由で3曲もの大切なナンバーが公開前にカットされてしまいました。その中にはジュディ・ガーランドがすばらしく、映画の後半を飾るはずであった“マーチ・オブ・ザ・ドーギーズ”が含まれておりました。
ただし、その様な問題があったとしても、これは面白いミュージカルです。最盛期のジュディ・ガーランドの堂々とした主演ぶり、ブロードウエイからレイ・ボルジャーの楽しいタップダンス、のちにTVシリーズ「ジェシカおばさん」で人気者になるアンジェラ・ランズベリーの演技、若き日のシド・チャリース、そして8分間に及ぶプロダクション・ナンバー“サンタフェ鉄道”etc。
「オクラホマ」ほど、深刻では無く、ジャドの様なイヤなやつも出て来ない理屈抜きのエンタテインメントです。
(DVD:ジュネス企画 JVD-3024税込\5,040)


ユニークなタップダンサー レイ・ボルジャー
「オズの魔法使」のカカシ男役として有名なレイ・ボルジャーは、映画よりもブロードウエイの大スターでした。
代表作として「オン・ユア・トーズ」「バイ・ジュピター」「チャーリーはどこ?」があり、特に「チャーリー〜」で彼が歌い踊った“ワンス・イン・ラブ・ウィズ・エミー”のナンバーはブロードウエイの伝説的なショーストップとして有名です。
彼のタップは、コミカルでアクロバティックなものですがステップはかなりオーソドックスなものです。ただ奇妙なパーソナリティーというか外見とその衣裳が独特であるため、必ずしも日本人好みではないと思います。
もともと映画出演が少ないうえ1〜2曲しか踊らないため皆さんにその栄光あるキャリアをお見せできないのが残念です。
現在市販されているDVDは「巨星ジークフェルド」(1936・MGM)、「オズの魔法使」(1939・MGM)、「ハーヴェイ・ガールズ」(1946・MGM)の3本です。晩年「ザッツ・ダンシング」(1984・MGM)では、御本人が司会のひとりとして出演しています。
レイ・ボルジャーには全篇踊りまくる「虹の女王」(1949・ワーナー)という、すばらしいミュージカルがあります。その中で踊る“フー?”のタップが好きでいかに感動したかをファンレターで送ったところ、何と2枚ものサイン入り写真を送って下さいました。1枚には「All the Best」もう1枚には「From Fellow Tap Dancer」(タップダンサー仲間より)とありました。
1987年に83歳で亡くなりました。

天野 俊哉





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