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Vol.1019 宝塚歌劇宙組公演(下巻)
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藤井大介演出ダイナミック・ショー「HOT EYES!!」
まず良かったのが、宙組トップ・スター朝夏まなとさんの大きな瞳から《瞳》をテーマにしたショーを作ってしまう藤井氏の発想の豊かさ。
選曲も“黒い瞳”“エンジェル・アイズ”から“君の瞳に恋してる”“キッスは目にして”を経て“煙が目にしみる”までズラリ。
中詰で“め組のひと”など歌謡曲が出てきた時は「またかあ〜」とは思ったものの、松田聖子さんの“天使のウインク”が瞳に関係した曲であることには「なるほど!」と納得させられました。また、80年代ポップスの“アイ・オブ・ザ・タイガー”のアイがEYEである事も今頃知りました。
また、朝夏まなとさんのダンス・テクニックを生かしたフォッシー・スタイルのナンバーでは“Them There Eyes”なんてあまり知られていないジャズの名曲を持ってきたり、藤井氏の冴えが感じられました。
良いところもあればその逆も
特に今回お芝居と違いこうしたショー作品とかレヴュー作品を舞台にのせる難しさをとても痛感してしました。まず、演出家と振付家の相性というか、形に出来なかったのでは?と思われる場面が2場面(ジゴロの男役同士のラブシーンとアイパッチをした女性のシーン)もあった事です。もちろん私の洞察力が低いから!だと思いますが、果たして二千人の観客のうちどれだけの人が本当に理解出来たのか?
もうひとつがやはり全場面、大階段という演出家のこだわりは成功だったのか?
最初、この話を聞いたとき予算かバトンなど制作サイドの問題かな?とも思いましたが、どうやら演出の藤井氏の希望らしいのです。
私は他の劇場では観ることの出来ない銀矯と本舞台、盆、沢山のセリ、装置の転換、素晴らしい照明そして最後に何処からか降りてくる大階段をこの宝塚で楽しみたいのですね。ところが当然の事ながら、中割が閉まっている時以外は大階段なわけですよ。やっぱり踊れるエリアは狭いし。しかも階段かなり揺れるそうです。気の毒にも感じました。
帰宅してから藤井氏がお気に入りで、大階段の発想の元となったショー「オペラ・トロピカル」(1983)をビデオで観ました。
順みつきさんのサヨナラ公演。やっぱりお金かけてないし、照明暗いし、見栄えしませんでした。ミッキーさんのパワフルな魅力だけのショー。ただの思い入れだけじゃないのかな?
もし、大階段の無い地方公演でこのショー「HOT EYES!!」が上演される様な事があったら必ず再見してみたいです。曲名がわからなかったものもあったのでリベンジを果たしたいものです。
天野 俊哉
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